桜木さくらさんの最期

旅行会社に勤めているが

明日バスでお花見ツアー客が来るというのに

木が老化して花が咲いてない!

上司の指示で作り物の花をひとつひとつ

接着剤で明日の朝までに木にくっ付ける事に

 

今 夜の12時です 行ってまいります

 

木登りなんてしたことないよう

今 枝に登ったなう

では 枝先に接着剤つけてと…

こんなんで朝までに終わるんですかね?

あっ 枝が折れる! 落ちちゃう!!

 

あー落ちた…  ここはどこ?

暗い 何も見えない

「あんたは上司に殺されて木の下に埋められた」

えっ?あなたは 誰ですか?

「蝉の幼虫だけど」

なんだそうか… それより…何故こんなことに…

「そりゃ会社としては偽桜の件は表沙汰になっちゃ困るからじゃね?」

……!そんな……

「この木も もうすぐ枯れるけど来年には満開に咲くかな… あんたが養分になるお陰で」

うぅ…!!(;_;)

 

翌年 桜の老木は枯れた…

だが 巨大な蝉が根本から這い出し 羽根を乾かし 飛び立っていった

そして旅行会社の窓を突き破って侵入し

部長の桜木さくらさん(47才)に取り付き

体液をちゅうちゅうと吸って死に至らしめた

 

醜悪な死体は美しい花となるに相応しいが 

恨みを抱えては蝉になるのが関の山だった

が、復讐出来たので 

  めでたし☆めでたし